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除草剤って何だろう?

除草剤は農薬です。だから、有機農業では使用しません。

ところが、日本は除草剤大国です。農業者だけでなく一般の方々もたくさん使っています。

使用の目的は家の周りとか、駐車場とか、空き地です。農産物への農薬の使用は気になるのに、家の周りに除草剤を散布することに違和感を感じないのは、「除草剤が農薬である」ということが知られていないからかもしれません。

一般の農業の現場でも、除草剤の使用が増えていること、そして、除草剤が農産物に直接されていること、このこともあまり知らされていません。

除草剤を作物にかけたら作物が枯れてしまうのではないかと思うのですが、「選択性除草剤」、「除草剤抵抗性品種」に「発芽抑制剤」という技術を組みあわせて、それを可能にしています。

「選択性除草剤」とは、単子葉植物には効かないけれど、双子葉植物は枯らすというような仕組みの除草剤です。

「除草剤抵抗性品種」というのは、同じ種ではあるけれど、特定の除草剤への抵抗性を持った品種というもので、植物自体が本来持っている免疫力を利用したものです。現在は、バイオの技術で、実際に交配しなくても品種改良ができます。他の作物の遺伝子を使う「遺伝子組み換え」は禁止されていますが、同じ作物内で組み換える「ゲノム編集」は認められおり、たくさんの除草剤抵抗性品種が生まれています。

「発芽抑制剤」というのは、ある程度大きくなっている植物にかけても死なないけれど、新たに発芽してくる小さな植物は枯らすことができるというものです。

「人には効かないけれど虫には有効な殺虫剤があって、抵抗力も充分ついている大人だったら、殺虫剤を直接振りかけても大丈夫、虫は死ぬけれど人には害はない」・・・理屈だけ言うとそのようになります。

写真は「発芽抑制除草剤」の散布風景です。この技術によって農場から雑草がなくなり、雑草防除という手間がなくなります。

除草の手間は莫大です。この技術によって食料が確保できている現実があります。

ただ、除草剤を使えば雑草がなくなりますが、それは土の中の小さな生き物の命もなくなることであり、それは結果的に生物多様性が失われることにつながります。農産物の栄養も美味しさも減ってしまいます。

安全性が確保できていることにはなっていますが、少なくとも安心感からは遠ざかっているように思います。