お客様からの手紙
—————
写真は農場の桜です。春は出会いの時、楽しくもあり不安な時です。今年はどんなお客様にお届けできるかと楽しみながらも、何のために農業をやっているのだろうと自問したりもします。下記は野菜宅配を始めた頃にいただいた手紙です。自分の農業の原点です。

□ □ □
(その1)いつもおいしい野菜を届けてくださりありがとうございます。なのに・・・なのに・・・申し訳ないのですが野菜の宅配をやめさせていただきたいと思います。
実は、私は病気です。新鮮な野菜を食べれば治るんじゃないかと一生懸命努力してまいりましたが、病気は悪化しています。今度、入院したらもう帰ってこられないかもしれません。そんな訳です。
(その2)今日はとてもよいお天気で主人と車であちこち花見をしてきました。自転車に乗ってこの暖かな気候を楽しんでいたり、ご夫婦で歩いている方を見ると、自分はなんで病気なんだろうと悲しくなります。
いい野菜を食べれば、治らない病気も治るように思い、せっかく良い方を見つけたのに残念です。 4月の野菜宅配は後2回ですよね。それぐらいなら、まだ生きていられるでしょう。 あと、2回よろしくお願いいたします。
(その3)最後の野菜が届きました。どれもきれいな野菜ばかりで良いものを選んでくださっているのだなと思いました。工業製品のように均一にできない農作物を作るのは大変だと思いますが、信念を曲げないで、これからも頑張ってください。名前の通り、人をしあわせにする野菜を作っていってください。 短い間でしたがお世話になりました。ありがとうございました。
□ □ □

桜が咲くと、この手紙を読み返して、「お届けするのは“生きる力”、そんな野菜をつくろう。」「このような思いで食していただいた方がいたことを忘れないでいよう。」と気持ちを新たにします。