野菜畑に思う

「キング・コーン」という2009年に製作されたアメリカの映画があります。
トウモロコシからは麺類、菓子、油、マヨネーズ、マーガリン、ウイスキーが出来ます。
家畜の餌でもあるので肉や卵や牛乳にもなります。

二人の若者が毛髪検査をしたら、「自分の体がトウモロコシからできていることがわかった」・・・そんなことから話が始まります。 

毛髪検査によって、食べた食物の種類が本当にわかるのかは疑問なのですが、これから食べる食物の原産地がどこであるかは検査で簡単にわかるそうです。

例えばお米の場合、そのお米が育った場所が日本なのか、中国、タイ、アメリカ、オーストラリア産なのかの判別が4万円位の費用でできます。
原理はこんな感じです。

水+二酸化炭素+光のエネルギー → 炭水化物+酸素 

植物は光合成によって、その土地の空気や水から炭素酸素、水素といった元素を固定して体を作ります。

元素の特性は原子で決まるのですが、同じ元素でも中性子の数が違う「同位体元素(アイソトープ)」というものが存在し、その割合は地域によって異なります。

そこで、植物の体を構成する元素の同位体元素の割合を調べることによって、その植物がどの地域の空気と水を吸っていたのかがわかります。例えば「このお米の 炭素と酸素のアイソトープの割合から考えて、これは アメリカの○○地域の水と空気で育ったお米である。」ということが判明できるそうです。

同じ種(遺伝子)から育った食物でも、どのような空気どのような水を吸って育ったかによって中身が変わってくるわけです


体は食べたものからできています。時々、畑の中で一人になることがあるのですが、そんな時に「ここで出来た食べ物だけを食べていたら、体の外側も内側もまったく同じもので出来ていることになって、自然と体との境がなくなって、単に思考だけが漂うような状態になるんだなぁ。」と思うことがあります。

そんなふうに考えると、「大概のことは小さなことで、大したことではない」と思えます。