
「大根は細長くて大きく、カブは丸くて小さい」のが一般的ですが、写真の聖護院大根のように丸い大根もあります。桜島大根も丸いですよね。
一体、大根とカブって何が違うのでしょう。
今は外国人だらけになっている京都・錦市場の漬物屋さんに昔そのことを聞いたことがあります。そしたら、「お客さん、ダイコンとカブじゃあ、見た感じも、食べた感じも全く違うじゃない」と言われてしまいました。でも、当時の自分はよくわかりませんでした。皆さんは、大根とカブの違いを知っていますか?
大根とカブの違いは、どこが太っているかです。

植物は発芽してから根と茎を伸ばして子葉(ふたば)を開きます。この子葉までの部分を胚軸(はいじく)といいます。胚軸は根と葉の間にある茎の一部です。
大根は文字通り根が太っていますが、カブは根ではなく胚軸(はいじく)が肥大したものです。

カブは胚軸が太ったものですので、カブ自体は地上部に出ています。茎が太っているのたのでカブの表面はつるんとしています。カブの下に伸びているのが根です。
だから、カブは簡単に抜けます。
胚軸は茎ですので、根と比べて細胞を保護している細胞壁が薄く、そのためにカブは柔らかく、切った時や漬け物にした時に、ふにゃっとしています。
細胞壁は崩れるとペクチンが溶け出します。ペクチンはゼリーを作る時の成分です。カブを切ると少しヌルッとしているのは、溶けだしたペクチンが原因です。
カブを大根と同じ感覚で煮ていると溶けてくるのも細胞壁が薄いからです。カブは柔らかくなりすぎるとおいしくありませんので、火を入れすぎないのが料理をする時のポイントです。

この写真は、スーパーでよく見る「青首大根」という品種の大根です。
大根の大部分は文字通り根が太ったもので土の中に入っていますが、上の緑色の部分は胚軸が太ったもので地面の上に出ています。茎だから葉緑素があり緑色になります。
漬物に使われる「白首大根」というのは、根の部分だけが太っていて全部土の中に入っています。
だから、抜くのがとっても大変です。

童話の「大きなカブ」では「うんとこしょどっこいしょ」とかけ声をかけてもなかなか抜けないのですが、カブだったら本体はほとんど地表に出ているので簡単に抜けるはずなのになぁと不思議に思います。
