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食育って何だろう


東京オリンピックのとき、地元の小学生が育てた野菜を選手村の食材に提供するプロジェクトを行いました。「自分たちが育てた食材を食べてもらうって、“おもてなし”だね」と話しながら、種をポットにまき、苗を農場に植え、手入れをしながら育て、保護者と一緒に収穫して東京の選手村へ送りました。自転車競技は静岡県で開催されたため、日本の競輪チームには大会期間中すべての食事に使っていただきました。大会終了後に栄養士さんが小学校に来てくれ、選手の食事やメッセージを紹介しながら、「アスリートは朝から野菜をたくさん食べています。みんなも野菜をしっかり食べようね」と話してくれました。今振り返ると、とても素敵な食育だったと思います。

今月14日に静岡県主催の食育講座があり、話をする機会をいただきました。定員20名に対して60名以上もの応募があったそうです。

栄養バランス、生活習慣病予防、正しい食習慣など「個人の健康を守ること」が中心だった食育から、環境、オーガニック、地産地消、旬の食材、フードロス削減、共食、持続可能性といった、「社会の健康を守る食育」へと視野が広がっていることが背景にあるようです。

教育と有機農業は考え方が似ています。元気な子供に育てるためには、自然に触れさせ、栄養のある食事をとり、ゆっくりと育てること、薬に頼らないこと、多様な人と交わることなどが大切です。同じように有機農業は自然の中の露地栽培、有機肥料を栄養にゆっくりと育てます。農薬に頼らないで、いろいろな生き物と一緒に育てます。

元気な食材を食べれば体が健康に、元気な子どもが増えれば社会が健康になります。「簡単、便利、安い」ことが正しいように思いがちですが、教育も有機農業も目指すところは、そこではないように思います。