植物や動物など生き物の体を有機物と言います。有機肥料というのは有機物である植物(種や葉や茎)と動物(魚や肉やフン)を原料とした肥料です。有機物は土の中で微生物によって窒素・リン酸・カリ・その他たくさんの栄養素に分解されてから植物に吸収されます。
化学肥料とは始めから窒素・リン酸・カリなどの栄養素で出来ている肥料です。代表的な化学肥料は工場で作られるアンモニア(硫安)で、即効性の窒素で作られています。化学肥料を植物に与えるとすぐに吸収されて、大きくて形が良くて、きれいな野菜が早く育ちます。世界人口の増加に伴う食料増産を支えているのは化学肥料です。
人の食べ物でいえば、化学肥料というのは栄養剤のようなものです。人も栄養剤のゼリーやドリンクなどで生活することが出来ます。即効性であり栄養も豊富なので、もしかしたら、栄養剤で育つ方が、早くて、大きくなるのかもしれません。
オーガニック野菜で使う有機肥料は人の食べ物でいえば食事です。作るのには手間がかかります。食べるのにも時間がかかり、食べた後に分解されてからゆっくり吸収されます。せっかく食べたのに吸収されないで排出されてしまう部分も多いです。与えればいいわけではなく、栄養のバランスや量、食べるタイミングも重要です。栄養剤と比べると食事は手間も時間もかかるのに効率は悪いです。
しかし、食事には栄養剤では得られない味、旨味、栄養があります。同じように、有機肥料で育った野菜は味が濃く、栄養があり、長持ちして、何より“生きる力”がある。そんなふうに考えます。
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