スーパーに行くとバナナのコーナーがあって、いろいろなバナナが売られています。皆さんバナナはよく食べますか?

私が今まで食べたバナナの中で一番おいしかったのは、30代の時に海外植林ボランティアで行ったフィリピンの片田舎の小さなホテルの部屋にサービスで置かれていたモンキー・バナナです。
日本で食べるバナナは、未熟な状態で収穫をして船で運んでからエチレン処理をして熟させます。だから、皮が黄色くなっていても、果肉の色は白っぽいです。熟していないので、香りはなく種はありません。
フィリピンの小さなホテルの置かれていたバナナは、近所の農家で収穫された樹上完熟のバナナです。ホテルに直接持ち込まれたのかなぁ、そんなことを想像しながら食べました。果肉は皮と同じ黄色をしていて、芳醇な香りがして種がありました。
「バナナってこんなにおいしいんだ」とびっくりし、その以後日本のスーパーで「完熟バナナ」というのを選んで食べたりもしたのですが、あの時の美味しさにはかないません。
日本で売られている「完熟バナナ」は、エチレン処理で無理やり熟させていないというだけで、それは収穫後に熟させたのであり、樹上完熟ではありません。熟したものを収穫するのが本来の完熟です。


これはトマトの出荷基準表です。
「この時期に、この市場に出すには、この段階で収穫する」と決められています。普通の生産者が赤くなった10の状態で収穫することはありません。
店頭に並ぶ頃には色付きますが味的には未熟です。イチゴもメロンもミカンもリンゴも色づかないうちに収穫されます。
他の野菜も市場流通の場合は基本的には未熟な状態で収穫します。未熟というのは成長途中ということです。一斉収穫により、形がそろい、見栄えが良く、長持ちするからです。
「採れたて新鮮」でも未熟なんですよ。
完熟野菜を手にする方法、それは家庭菜園で自分で作るか、生産者からの直接購入です。