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【8月第1週】地域の農業クラブを開設します

 この秋から「かけがわ農業クラブ」を始めます。皆さんは「中学校の部活動の地域移行」をご存知でしょうか。これまで学校が担ってきた部活動を地域に移行する試みです。「かけがわ農業クラブ」はその一環として開設します。※当園は静岡県掛川市に位置するため「かけがわ農業クラブ」。今週は野菜にまつわるコラムはお休みして、地域の農業クラブ開設に対する思いを話してみようと思います。

 私(大角)は元々農業高校の教員でした。農家の長男であった私は、大学農学部卒業後すぐに就農するつもりでした。ところが、どう考えても農業をやって楽しくて豊かな生活が送れるとは思えません。休みもなければお金もない、そんな農業しかイメージできませんでした。私は結局、農業高校の教員としての道を歩み始めます。(しあわせ野菜畑の立ち上げはその20年以上も後のことになります。)

 農業高校では農業の「大切さ」「楽しさ」「可能性」を生徒と一緒に考えようと心がけていました。大切さと楽しさは、程なくして生徒と一緒に実感することができました。しかし可能性はいつまで経っても分かりませんでした。生徒から「将来農業をやりたい」と相談されて、とりあえず農学部への進学を進めている自分がいて、いつも無力さを覚えていました。こうしたことがあって、改めて自身で農業の可能性を見出そうと思い立ち「しあわせ野菜畑」設立に至ります。

写真:農業クラブ開設予定の畑

 農業経営を進める中で、最近「農業クラブ」設置の相談を受けました。農業の可能性を伝えることは自分自身が農業を行う目的の一つでもあるため、クラブを開設しようと決意しました。しばらくは「有機農業のまちづくりを進めよう」という目標のもと活動する予定でいます。参加者は自分たちで育てた有機野菜をスーパーやマルシェで販売したり、調理して子ども食堂に参加したり、また福祉施設の障がい者と一緒に収穫体験をしたり、こうしたことを計画しています。地域の生産者と連携して、有機米の田植えや稲刈り、有機茶の茶摘みなども行います。

 今回の地域クラブには「これからの農業の担い手が育ってくれたら嬉しい」という気持ちがあります。せっかくなので、中学生だけでなく一般枠、先生枠、研修生枠を一部設けて、いろいろな世代の人たちと一緒に取り組むことにしました。お互いの取り組みが良い刺激になるのではないかと考えています。実際に体験してみることで得られる価値があると信じて、参加者の皆さんと農業の可能性を見出す場にできるよう、活動開始に向けて今日も準備を進めています。