農業高校の野菜の授業で、ジャガイモを収穫するときに「ジャガイモが“いた”」という言い方をする生徒がよくいました。野菜が「出来た」ことを「大きくなってくれた」と言い、中には自分が育てた野菜のことを「子どもたち」という生徒もいました。野菜づくりは、気持ちのうえでは子育てとよく似ています。
親が子どもに願う“しあわせ”は、まず何よりも「元気に育ってほしい」ということだと思います。正しい育て方というのがあるわけではありませんが、なるべく外で、太陽の光をたっぷり浴び、風を感じ、自然に触れること。栄養のある食事をゆっくり食べさせて、睡眠はしっかりと、なるべく薬には頼らず、いろいろな人との関わりの中で育つように環境を整える。少しぐらいのすり傷は勲章です。
有機野菜づくりは、そんな思いを野菜に置き換えることだと思っています。ビニールハウスや温室ではなく露地栽培。自然の中で、季節にあわせた旬の季節を育てます。化学肥料ではなく有機肥料を使います。農薬は使いません。単一の作物だけではなく、さまざまな野菜を一緒に育て、少々の傷や形の悪さも気にしません。
そうして育った野菜を「おいしい」と言って食べていただき、食べた人が元気になることが”しあわせな野菜“に育ったことだと考えます。
当園の名前「しあわせ野菜畑」は、「しあわせな野菜を育てたい」という想いから生まれました。
オーガニック(有機農業)であることは目的ではありません。元気な野菜を育て、それを笑顔の食卓につなげるための手段です。
農作業は、暑かったり寒かったり、体力を使って大変なこともあります。そんなときには、笑顔の食卓を思い浮かべます。お客様の「おいしい」や「ありがとう」の声を想像すると、「私たちを、そこに届けてね」と応援してくれている野菜たちの声が聞こえてくるような気がします。





しあわせ野菜畑の有機野菜はしあわせ野菜畑ネットショップからお求めできます。