ふるさと納税からもご注文いただけます詳細はこちら

オーガニックの首都、オレゴン

 かつて掛川市は、アメリカに「オレゴン農場」という研修施設を所有し、当時の榛村市長の「21世紀は地球田舎人(いなかびと)たれ」という呼びかけのもと、多くの市民がこの研修に参加していました。

私にとって初めての海外旅行も、このオレゴン研修でした。30歳だった私は、アメリカの大規模農業に大きな魅力を感じていて、市長に相談させていただいたところ、オレゴン農場とカリフォルニアの農場で1年間働けるよう手配してくださり、その打ち合わせも兼ねていました。

掛川市オレゴン農場(2000年頃)とオレゴンのファーマーズマーケット

 職場の1年間の休職が認めらなくて計画はかないませんでしたが、この2週間のオレゴン研修が私の有機農業の原点となっています。

オレゴン農場は72haという広大な小麦畑を所有していたのですが、その畑は貸して実際に取り組んでいたのはブルーベリーと野菜の有機栽培でした。後で知ったのですが、オレゴン州は「オーガニックの首都」とも呼ばれるほど有機農業が盛んな土地です。生産者がオーガニックの果物や野菜を直接販売するファーマーズマーケットは大盛況、スーパーでも有機農産物がたくさん売られていました。

もっとも、当時は「アメリカには変わった農業があるんだな」と思った程度です。
ただ、「生産者が売るからファーマーズマーケット」、「オーガニックが“正解”というのではなく、選べる選択肢があることが大事」という考え方はとても新鮮でした。
何より、有機農業者が楽しそうに農業に取り組み、オーガニックについて一生懸命に語る姿が心に残り、それが、10数年後に「有機農業をやってみよう」という決断につながっています。

この話を掛川市内ですると、「私も学生の時に参加したオレゴン農場研修が、今の仕事を目指すきっかけでした」という方によく出会います。
元市長の掲げた「地球田舎人たれ」という夢が、少しずつ実現しているのかもしれません

オレゴンの象徴、マウント・フッド(3425m)、ポートアイランド国際空港に着陸する時に最初に見える。