オーガニック野菜について思うこと

当社では毎月1000箱前後のオーガニック野菜セットを全国宅配しています。
契約農家さんの野菜を集めてお届けするオイシックスさんやラデッシュボーヤさんのように商品数は豊富ではありませんが、自社農園で収穫された、季節ごとの旬の野菜をお届けしています。

皆さんは野菜を選ぶ時に何を目安にしていますか。
しあわせ野菜畑は国の基準である有機JAS認証とJGAP認証を取得しています。
有機JAS認証を取得しない野菜はオーガニックと名乗ることはできません。
そのため、正式に認められているオーガニック野菜は日本の0.2%の畑でしか作られていません。
JGAP認証は「環境保全」「食品安全」「労働安全」に取り組む農場に与えられる認証です。東京オリンピック・パラリンピックでは選手への食材提供の条件となり、当園の野菜もアスリートの皆さんに食していただくことができました。
メディカル青果物研究所による成分分析では、調査した野菜には、免疫力を高めるのに効果があるとされる「抗酸化力」が普通の野菜の平均値よりも高いとの診断が出ています。

ただ、オーガニック野菜は農薬や化学肥料を用いた慣行栽培と比べて生産効率は低く、値段が高く、野菜セットの中に入っている野菜の量は少ないです。
有機的な栽培をしていても有機JASやJGAPを取得していない生産者さんの野菜セットと比べても、当社の有機野菜セットは値段が高いかもしれません。

当社の代表は高等学校の元農業教員で、農薬と化学肥料を使う野菜つくりの経験があります。
一般的な慣行栽培と比べてオーガニック栽培は手間が3倍くらいかかります。商品化率が低いので、原価計算をするともっと差があります。そこまでは高く販売することはできませんが、同じ価格の野菜セットと比べると「これだけ?」と思われる方がいらっしゃるかと思います。
牛肉や魚は同じ量でも価格が異なります。それを受け入れていただくには、たくさんの苦労や工夫があったのだと思います。
当社のオーガニック野菜セットは割高かもしれませんが、それ以上の価値を感じていただけるよう努めていきたいと思います。

当社のオーガニック野菜に対して、「見た目の悪さ」についてご指摘を受けることもあります。
農薬を使用しないことにより虫がかじったりすることも原因ですが、
大きさがバラバラであったり、汚く見えるのは、有機肥料を用いて露地栽培でゆっくり育ち、完熟してから収穫するようにしているからです。

化学肥料を利用すると野菜はスクスクと素直に早く育ちます。それを生育途中で収穫するときれいで形がそろった野菜になります。みずしくて、柔らかくて、葉の色も緑色になります。

それに対して有機肥料で育つオーガニック野菜はゆっくり育ち、生育がバラバラなので完熟してから収穫します。
ハウスや温室栽培ではありませんので、直射日光や雨や寒さや風にあたります。傷ついたり黄色くなったり、肌が汚くなったりして、古く見えることもありますが、お届けしているのはすべて新鮮な野菜です。
オーガニック野菜を食べて健康を回復したとか、元気になったというお話をいただきますが、それはオーガニック野菜だからというわけではなく、オーガニックというフィルターを通して「“生きる力”のある元気な野菜」をお届けしているのだと思います。
 オーガニック野菜はゆっくり育ち、収穫された後も生きていて、ゆっくり朽ちていくという感じで、長持ちします。見た目が悪いかもしれませんが、ぜひ食してください。