キュウリの秘密

キュウリは夏の定番なのですが、露地栽培での夏の栽培は意外に難しいです。
というのは、キュウリというのは本来は「地ばい」で、スイカのように地面の上で身をならせるのが本当の姿だからです。
ただ、この方法だと、日本の蒸し暑はカビの病気になってしまいます。
面積もたくさん必要です。

そこで、アーチを作ってツルを上に伸ばしています。
そうすると風通しがよくなるし、実も重力でまっすぐになりやすいし、管理も楽になります。

ただ、キュウリには地上1mや2mにまで水を吸い上げる力はありません。

そこで、どうするか・・・・水を吸い上げる力が強いカボチャを台木にしてキュウリを接ぎ木します。

接ぎ木をしない場合を「自根苗」というのですが、栽培が終わって畑を片付ける時に、自根苗のキュウリの根はせいぜい20㎝くらいなのに、台木苗のキュウリの根は50㎝以上あって、しかも太くてびっくりします。

根が違いますから実の性質も異なります。台木苗は水を吸い上げる力が強いので、かえって瑞々しさがあります。量もたくさん採れます。

一方、自根苗は猛暑で乾燥するとすぐ弱ってしまうし、収量も少ないし、皮が柔らかくて古っぽく見えます。
しかし、キュウリ本来のかすかな甘みや香りがして、食感が優しいです。

自根苗には白い粉(ブルーム)がついています。ブドウの皮についている白い粉と同じですが、キュウリの場合は粉をふいた感じで古く見え、農薬だと勘違いされる方がいらっしゃいます。
当園のキュウリは自根苗です。
弱々しくて、すぐフニャとして古くみえますが、おいしく食べていただけたら幸いです。