バジルの育て方

当社の野菜セット5月便にはハーブ栽培セットが入っています。

きっかけは、野菜が少なくなる端境期の対策だったのですが、お届けしたお客様からの評判が良くて定番となりました。
今回はバジルのキッチンガーデンの方法を紹介します。

【 ピンチの方法 】

枝を切ることを摘心(てきしん)といいます。ピンチとか剪定とも言います。
摘心をしないと主枝が長く伸びてヒョロヒョロになります。

①植え付けをして草丈が20cm位まで伸びたら、下から数えて2~3節目の少し上のところで摘心します。
バジルはひとつの節から2枚の葉が出ています。このような葉の付き方を対生葉序(たいせい・ようじょ)といいます。摘心すると節の葉の付け根から2本の側枝(そくし、わき芽)が伸び、株張りが良くなります。
ちなみにバジルの葉は2枚がセット(対生)になって節ごとに90度に付き方が変わり、上から見ると、きれいな十字型となっています。このような葉の付き方を「十字対生」と言います。

②側枝が伸びて成長したら、主枝の時と同じように伸びたところから2~3節目で摘心をします。

③ピンチをして側枝が伸びたら葉を少し残してピンチをします。
これを繰り返しながら収穫した葉を利用します。

 実はこれって、お茶と同じです。最初に延びるのが5月の1番茶(新茶)で、新しく伸びた葉を少し残して一芯二葉で摘みます。そうすると脇目が伸びるので、6月に新しく伸びは葉を少し残して2番茶を摘み、再び伸びたら7月から8月に3番茶を摘み、再び伸ばして9月から10月に4番茶を摘みます。4番茶のことを「秋の新茶」と言って売り出すこともあります。

④葉を少し残して摘心を繰り返すと株が大きくなりますので、7月くらいに株の切り戻し(更新剪定)をします。
この時に肥料を与えます。

お茶でいうと、これを「更新剪定」といって、今年1年に延びた枝をバッサリと切り戻してしまいます。
何年もお茶は植わっているのに、常に同じような形(かまぼこ型のウネの形)になっているのは、更新制定によって毎年同じ高さに切り戻しをしているからです。

切り落とした枝を水が入ったコップに入れておくと、根が出てくるのを観察することもできます。

④7月下旬から花芽がつきます。花を咲いて種ができると「子孫を残したからもう役目は終わった」と枯れてしまいますので、葉をつけた花茎ごと摘心してください。花も食べられます。

【置き場所】
バジルはインドが原産地、太陽が大好きです。
置き場所はベランダなど直射日光の当たるところでも構いません。
室内に置く場合も明るい場所を好みます。
キッチンのそばなどに置いた場合、日光不足で葉の色がライムグリーン(緑色がうすく)なってきたら、数時間でも場所を変えて日光浴をさせてあげてください。

【冬越しの方法】
寒いのが苦手なので冬になると枯れます。
ただ、暖かい部屋なら根は生きていて冬越しをさせることができます。1~2か月に1回たっぷり水をやってあげると、春になって再び芽が出てきます。チャレンジする場合は「ダメもと」で、夏の間楽しめただけでも、いいとしてくださいね。

【バジルの葉の保存方法】
 バジルはイタリア語ではバジリコです。イタリアンやギリシャ料理や南フランスの料理にふんだんに使われますが、故郷はインドです。古代ギリシャの時代にアレキサンダー大王の東方遠征などをきっかけにヨーロッパにもたらされたそうです。
 寒いのは少々苦手で、収穫したバジルの葉を冷蔵庫に長く入れると黒く変色してしまいます。水で濡らしたキッチンペーパーにくるんで、冷気が当たらないように注意して野菜室で保管し、早めにご利用ください。