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七夕様(たなばたさま)の通る道

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 夏は雑草が元気です。有機栽培では除草剤の使用が認められていませんので、草取りは大変です。
 昔は、この時期の農家の仕事と言えば、もっぱら田んぼのあぜ道の草取りでした。


 

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8月7日は月遅れの七夕です

 私たちの地域では月遅れで8月7日が七夕です。
 私の母親が嫁いできたその年の8月上旬のある日、いつものように母親が田んぼのあぜ草を刈っていると、おじいちゃんがやってきて、「もうじき8月7日で夜中に七夕様が田んぼのあぜ道をお通りなさるから、つまずかないようにそれまでにあぜ草を刈り取っておいてね」と言ったそうです。

 そして、8月7日は農休みです。専業農家で毎日忙しい我が家ですが、おじいちゃんも、おばあちゃんも、両親もみんな家にいて、七夕飾りが風に揺られながら、ゆったりとした時間が流れていて、のどかで楽しい一日でした。
 昔の人は「今日は休みだ。」などと言わないで、こんなふうにして自然と一体になって体を休ませていたのでしょうね。
 


 この言い伝えは我が家だけではなく、ごく普通に私たちの地域では言われていて、子供達はみんな信じていました。
 その頃は、家も少なく街灯もなくて、夜になると外は真っ暗で、どこまでも広がる田んぼの水面にホタルが星のように舞っていました
 子供にとっては夜の田んぼも夜空の星も同じような異次元空間で、純粋に「田んぼの中のこんなに狭いあぜ道を通って行くなんて、七夕様も大変だなあ。」と思っていました。
 農業を始めたので思い出しましたが、長い間忘れていた思い出です。


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