農場の空が、埋め尽くされるようにアキアカネ(赤トンボ)が飛び回る時期が1年に2回あります。
最初は6月下旬で、ヤゴ(幼虫)から羽化したばかりのアキアカネは赤ではなくオレンジ色です。

暑さに弱いアキアカネは、このあと山地を目指して移動します。静岡の場合は南アルプスの山々です。そこで夏を過ごして10月に赤くなって戻ってきます。
サッカーJリーグのジュビロがある磐田市はトンボが町のシンボルです。
そこにある磐田南高校の生物部が、アキアカネの移動ルートを解明するという研究をやっていました。6月に学校の近くの池で何万匹ものトンボを捕まえ、マーキングをしてから離し、夏休みに50km以上離れた南アルプスの山の中で合宿をして、縦走しながらトンボを捕まえ、自分たちが付けたマーキングがあるかを調査するという研究です。
実際に捕まえて移動ルートを究明してしまうのがすごいところで、「科学(理学)って、こういうことなんだ。」といたく感動したものでした。
それに比べると農業(農学)というのは俗物的ですね。