
しあわせ野菜畑にはヤギがいます。
5月生まれで名前はメイちゃんと言います。
出荷することができなかった有機野菜をいっぱい食べていて、とても元気で、近所の子供たちの人気者です。
ヤギは漢字で山羊と書くように、もともとは乾燥した山岳地帯に住んでいました。
そこには餌になるようなものはあまりありません。
そこで、ヤギは植物の細胞壁や植物繊維の成分であるセルロースを分解する微生物を胃の中に共生させることで、普通では餌にならないような木の皮や枯れ葉を食べることが出来るようになりました。
紙は植物の繊維からできているので、ヤギは紙を食べ物だと思って食べてしまいます。
だから、ヤギは紙を食べてしまいます。
白ヤギさんの歌は本当なのです。

紙には薬品や顔料が入っているので食べさせてはいけません。
もっとも、最近の紙は変なにおいがするらしく、ヤギが自分から食べることはありません。

さて、暑い日が続くのでヤギ小屋にヨシズの日よけをしてあげました。
ヨシズの一方をとめて、次に片方を留めてとやっていたら、ヤギがヨシズを食べ始めました。
ヨシズは湿地に生えているアシから作られているからヤギには餌に思えるようです。
メイちゃん、屋根を食べたらだめだよ!
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「メイちゃん、屋根のヨシズを食べる!」の記事を書いたのは今から10年くらい前、メイちゃんが5歳くらいの時です。
それから10年、有機野菜を食べているメイちゃんはまだ元気です。
ヤギは“草刈り名人”、”生きる除草機”と呼ばれるほど雑草を食べるのですが、有機野菜の残り物を食べているメイちゃんはグルメになってしまって、小屋の中の雑草も食べません。
今年の夏も猛暑で大変ですが、雑草を日よけにして、じっとしています。
(2025年8月 関東で40℃越えの夏の日に記す)