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【6月第2週】キュウリのヘタ

写真:実りはじめた小さなキュウリ

 蒸し暑い日が増え、夏野菜が少しずつ取れるようになっています。先週、ようやくキュウリを収穫しました。漬物、生食、サラダ、炒め物など、活躍の幅が広い野菜ですね。

 細長くパリッとした食感のキュウリ。私たちが食べている部分は、植物でいう果実にあたります。果実と聞くと、ヘタがついた野菜や果物を思い浮かべるかもしれません。例えばトマト、ナス、みかん、柿…、これらにはヘタがあります。同じく、キュウリをはじめゴーヤ、ズッキーニ、カボチャ、スイカなども果実です。では、植物上は同じ分類(果実)であるキュウリのヘタはどこにあるのでしょうか?

 下の図で、ガクの上にあるふくらみ何と言ったか覚えていますか。「子房」ですね。この子房が大きくなって「果実」になります。

 そしてガクは大きくなると「ヘタ」と呼ばれます。トマト、ナス、みかんや柿などはガクの上に子房(果実の元)があります。この構造によって、これらの果実にはヘタができるということなのです。
 このような構造を「子房上位」と言います。

 一方、キュウリやスイカはガクの下に子房ができます。理科の授業では、もっぱら「子房上位」を教わることが多いのですが、 自然界では、ガクの下に実ができる「子房下位」の植物がとても多いです。

 キュウリ、スイカ、カボチャ、メロンなどウリ科の植物は基本的に「子房下位」です。ガクはいつの間にかなくなってしまうので、これらの野菜や果物の実にはヘタがありません。
 そういうわけで、スイカやメロンと同様、キュウリにはヘタが見当たらない……ということになります。