
初夏の畑
野菜には旬があります。例えばしあわせ野菜畑では、まもなくじゃがいもやズッキーニが旬を迎えそうです。旬は春夏秋冬季節ごとに様々です。全国なら尚更、その多様な広がりが見られるはずです。
野菜の旬を考えるときに、その野菜の原産地が一つのヒントになります。なぜなら野菜は原産地の気候や風土を好むと言われるからです。じゃがいもならアンデス高地、にんじんや玉ねぎなら中央アジア、キャベツは地中海沿岸、というように、野菜それぞれの出身地があります。
多くの野菜が歴史の中で日本に伝わり、食べられるようになりました。日本の四季の中で、原産地に似た気候風土の土地にうまく馴染む野菜が、栽培されるようになっていったのです。日本の気候が北海道から沖縄まで変化に富んでいるおかげで、色々な種類の野菜を食べることができるのはとても楽しいことです。
しあわせ野菜畑は静岡県掛川市の北部に位置しています。静岡県外から見れば、静岡県内の地理は似たり寄ったりだと思います。山と海に囲まれて、夏はそれなりに暑く冬は雪が降らず温暖で穏やか。
しかし、野菜の栽培を考えたとき、その差異はもう少し細かくなければなりません。掛川市内の南北では土壌の質が異なっていて、育ちやすい野菜の種類が変わります。さらに、同じ地域内の畑でも、日当たりや傾斜の違いで野菜の向き不向きが生じます。当然、同じ作物を育てても風味のニュアンスが変わってきます。
そして、このような事情は全国のどの地域にも共通しているはずです。今の時期、皆さんの地域の旬の野菜(作物)は何でしょうか。
上記のような事情をうまく汲み取りながら、生産者は日々野菜を作っています。野菜の旬に目を向けることは野菜のストーリーを知ることであり、自分たちの地域の風土や食について考えることにも繋がるのではないかと感じます。