鍛えよう若き日を

農業を始めた頃は体力的にとっても大変でした。
畑仕事が終わって畑から帰ってくるとトラックの直角の座席に座ったまま動くこともできなかったし、
夕食で茶碗とお箸を持ったまま寝てしまうくらい疲れていました。
寝ていると夜中に筋肉がけいれんして目が覚めたり、
夏は体の中のほてりがとれなくて水風呂に入ったりしたものでした。

「鍛えよう、若き日を!」というのは母校である静岡県立掛川西高校のスローガンで、
このメッセージボードが写真のように、
市民が目にする場所に掲げられています。

自分が農業を始めたのは47歳の時ですが、
このメッセージを見るたびに
「若くもないのに、いつまで鍛えないといけないのかなぁ」と思ったものでした。

あれから10年が経ち、仕事のコツがわかってきたり、
スタッフに支えられて、体力的にヘトヘトになることは少なくなりました。
戻りたいとは思いませんが、あの頃のことは懐かしい思い出になっています。
でも、楽になったかというとそうではありません。
仕事量も責任も不安も増えていて、
相変わらず「がんばれ、がんばれ」と自分自身に声をかけている毎日です。
目的であるゴールはいつでも次へのステップであり、
それは若い時も、今も、これからもずっと変わらないのかなと思います。
だから、きっと「鍛えよう、いつまでも」なんだろうな、
そんなふうに考えています。