ワインやウイスキーの蒸留所では、木製の樽からアルコールや水分が揮発してしまう減少分を「天使の分け前」と言うそうです。
ステンレス製の樽にしたら目減りはしません。
しかし、天使が飲んでくれるからこそ、いただくことができる味わいがそこにはあります。
そう信じて木製の樽を使い続ける生産者と、そうやって熟成された味や香りを愛し楽しむ人と、そんな考え方を大切にする伝統や文化があるのだと思います。
虫に食べられている野菜があっても目くじらを立てないこと、いつの間にか消えてなくなってしまう野菜があっても動じないこと。
それらは全部天使への分け前であり、だからこそ、天使からいただける「野菜のおいしさ」や「野菜の力」があるのだ、そんなふうに考えています。