実はおいしい、しわしわジャガイモ
イラストは戦時中の広島を舞台にした映画「この世界の片隅に」のワンシーン(イメージ)です。
縁側でジャガイモの芽を取っています。昔はジャガイモの芽を取るのは日常の風景でした。
ジャガイモは保存が利くので重宝ですが、しばらくすると芽が出てきます。芽には毒があるので、芽が出たジャガイモは芽を取って料理します。
ジャガイモの芽に毒があるのは自然界で地面から芽が出たときに動物たちに芽を食べられないようにするためで、芽と緑色になった皮の部分以外には毒はありません。
むしろ、芽が出たジャガイモは、貯蔵デンプンがブドウ糖に変わっているので、甘くておいしいです。
しかし、野菜は新鮮なものほど美味しいというイメージがあります。スーパーの店頭ではきれいに見えることが大切です。芽が出ているとクレームになりやすいので、芽が見え始めていただけでも廃棄処分しているスーパーさんが多いです。
野菜も果物も完熟したほうがおいしいのですが、ジャガイモは、完熟だと芽が出やすく、また、皮が汚くなったり、肥大しすぎて空洞果になりやすいです。
そこで、流通されているジャガイモは葉や茎が緑色の未熟なうちに収穫されます。収穫後の貯蔵では、酸素を減らしてから低温貯蔵することで強制的に休眠状態を持続させるCA貯蔵(Controlled Atmosphere、空気調整貯蔵法。酸素を空気中の1/10にして、二酸化炭素、窒素、温度、湿度を調整し、鮮度よく長期の貯蔵を可能とする方法)が普及しています。輸入ジャガイモの多くには発芽防止剤による処理が行われています。
芽が出ているジャガイモを見たことがないという人もいます。当方のジャガイモは完熟で収穫してから、一般の冷蔵保存なので芽が出やすいです。「ジャガイモに芽が出ていた。古いものを送っているんじゃないのか。」というお叱りの連絡をいただくことがあります。
芽が出たジャガイモを冬の間保存しておくと、写真のように小さくなってシワシワになります。凍らないように水分を少なくして細胞内の糖分濃度を上げているからです。
見た目が悪く、皮をむくのも面倒なのですが、柔らかくて甘みがあり、自宅でおでんを作る時には、芽が出ていてシワシワになったものを選んでいるくらいです。びっくりするくらい甘いんですよ。
(くれぐれも芽は取り除いてくださいね。)
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