あなたが食べているトマトには種がありますか?



 少なかったら、それは「ホルモン処理」がされているトマトです。

 ホルモン剤の商品名は「トマト・トーン」、花が咲いたときに散布する果実を大きくさせる成長促進ホルモンです。

 これは種子から分泌されるホルモンと同じ効果があります。
 
 果実が大きくなるのは種が成熟するためです。
 種は自分が大きくなるために果実を肥大させるホルモンを出しています。

 ですから、「トマトトーン」を散布すると種がなくても果実が大きくなります。
 成長が促進されるので大きな果実をたくさん取ることができるのです。



 栄養的には問題はありません。しかし、次世代につながる命が宿っているわけではありません。

 食べるということは「命をいただくこと」、 種があるトマトだからこそ得ることができる「生きる力」そんなものがあるんじゃなっかな、などと思います。   (つけたし) ホルモン処理をすると果肉が肥大するのですが、種の周りのゼリー状の組織が少なくて切った時に空洞になっていることがあります。 トマトを水ぬ浮かべた時に沈むトマトと、浮かんでしまうトマトの違いの原因のひとつです。

おいしい枝豆のゆで方

枝豆1

枝豆の季節ですね。

自分は農業高校の教員でしたが、野菜栽培の実習で「今日は枝豆をまきます」と言って大豆を配ると、ほとんどの生徒が不思議そうな顔をしました。

枝豆は大豆を早採りしたもので、枝豆をそのままにしておくと大豆になります。

だから、枝豆の種は大豆です。

自分の感覚だと、このことを知っている高校生は100人中3人くらいです。

大人でも知らない人が多いんじゃないでしょうか。

大豆には皮が黄色、緑色、黒色、茶色のものがありますが、どれからでも枝豆が出来ます。

味も違い、黒大豆やダダ茶豆の枝豆は味に深みがあるのですが、枝豆としてゆでた時に豆の薄皮がすでに少し黒かったり茶色かったりすることがあり、

この薄皮を汚いと思って取ってしまう人がいます。その必要はありません。

美味しく枝豆をゆでるコツはゆで時間と塩加減で、枝豆の新鮮度と熟度によってそれらを変えることがポイントです。

ア)収穫したての枝豆

収穫したての枝豆は、どんな有名産地のものよりもおいしいと思えるくらいに鮮度が決め手です。この場合の、ゆで時間は熱湯に入れて3分と短めで、長いと食感が悪くなります。

イ)収穫が遅れて少し硬くなった枝豆や、収穫してから時間がたった枝豆

柔らかくするためにゆで時間を5分~7分とします。旨みが減っているので塩が染み込みやすいように、さやの両端を切ってからゆでるのがお勧めです。スイカに塩と付けると甘く感じるのと同じですね。

 

ウ)冷凍の枝豆

柔らかさで勝負するしかありません。10分でも15分でも茹でてください。ゆでた後もたっぷり塩をまぶしてくださいね。

 

★  ★  ★  ★

「おいしい枝豆の茹で方」

 

1、ゆでた時に塩味を豆に染み込ませるため、枝豆の両端をハサミで切ります。

ただし、新鮮な枝豆は皮が柔らかいので切らなくても充分浸透します。枝豆のコリコリした食感が好きな人は切らないほうがいいです。
逆に、いつも冷凍の枝豆を食べてる人は柔らかい枝豆に慣れているので思いっきり切ったほうがいいです。

2、枝豆を水で洗う前に塩をたっぷりつけて揉みます。

目的はごみを取るためと毛を取るためです。新鮮な枝豆ほど硬い毛がいっぱいあって食べた時に気になるのでボールの中でごしごしやります。

3、塩もみをして汚れと産毛がとれたら、しっかり洗いましょう。

きれいな枝豆は洗わなくてもいいのですが、それは流通の段階で洗ってある場合です。
新鮮な枝豆って雨風にさらされているから思った以上に汚れてます。
塩も一緒に洗い落とすので、塩もみの塩はどのような品質でも構いません。

4、水を準備し沸騰させます。

量は枝豆の3倍くらい。「多めの水で」と書いてある本もありますが、多すぎると豆が水っぽくなりますので、少なめにしましょう。

5、塩は4%です。

500ccの水なら20gですね。塩を入れると沸点が上がるので、塩を入れてからお湯を沸かします。
この時の塩はミネラル分を含む高級な天然塩を使ってくださいね。食卓塩ではだめですよ。

6、沸騰したら枝豆を入れて3~4分ゆでます。

新鮮な枝豆は生でも食べられる位です。コリコリ感がお勧めです。
ただし、収穫してから日が経ってしまった枝豆は固くなっていますので10分~15分ゆでる必要があります。が、柔らかくなり過ぎると旨み成分もなくなってしまいます。

7、ゆでている間はラーメンやウドンをゆでる感じで、火加減は強力にぐつぐつさせましょう。発色を良くするためにふたはしません。

8、3分経ったら少しつまんでみて、食べられるようならお湯をこぼします。

9、塩を振るかどうかは好み次第です。

その時には水をこぼして温かくなっている鍋に枝豆と塩を入れてシェイクします。
塩は粒子が大きい天然塩がお勧めです。

10、枝豆が熱いままだと色が悪くなるので熱を取ります。

冷水につけるのは水っぽくなるのでやめて、「美味しくな~れ」と声をかけながらウチワであおぎます。

11、出来上がり!!

 

以上、農業高校の教員時代に生徒達に「これでもか、これでもか。」というくらいに試作させてたどり着いた方法です。
おいしいこと間違いなしです。

もっとも、高校生たちはどのような方法でも「おいしい、おいしい。」と言って食べていました。

 

野菜が好きになる話(5月1日)

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家庭菜園で人気のキュウリですが、大きくなってくると支柱からズルッと下がってしまうことがあります。「朝顔やヘチマは自分で絡まりながら伸びていくのに、何でキュウリは縛るのだろう」と思ったことありませんか。

「地這いキュウリ」といって支柱をしないで育てるキュウリがあります。実はキュウリの本来の姿は「地這い」です。ところが原産地であるヒマラヤ山脈の麓の気候に比べて日本は蒸し暑く、地面に這わせて育てると、うどんこ病やすす病というカビの病気にかかりやすいです。そこで日本人はきゅうりに支柱をして空中に伸ばして風通しを良くすることで病気を防ぐ方法を生み出しました。

ですから、きゅうりの巻ひげには地面に這う時に、石や草につかまって風に飛ばされないようにする位の力しかありません。自分の力では支柱をよじ登っていくことができないので、空中で育てるためにはヒモを使って結んであげる必要があります。根が浅いのも体を支える力が本来は必要ないからです。

ちなみに、トマトも同じで、外国では支柱なしで畑の上に寝そべった状態で育てます。何しろトマトには巻きひげすらありません。

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そんなキュウリの巻ひげですが、構造的には非常に巧妙で、よく見ると途中で巻き方が変わっています。巻く方向が一方向だと引っ張られた時に切れてしまいますが、回転方向が変わる「反せん点」があることで、バネのように伸び縮みすることができるのです。「巻ひげ」とは言うものの、巻きながら伸びるのではなくて、最初は真っすぐに伸びていって何かに触れると捩れて体をその方向に近づけます。物理で言うところの「曲げモーメント(しなり)」ができるわけです。

 

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(2016年5月1日 静岡新聞)

毎月第1日曜日、静岡新聞朝刊にて「野菜が好きになる話」コーナーを担当しています。

野菜が好きになる話( 静岡新聞 4月3日)

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ネギ類は、春になると茎の先端にたくさんの小さい花を着けます。この花はつぼみの時には全体が白い膜のようなもので包まれていて、ネギ坊主と呼ばれています。

右の写真は、神社の橋の欄干についている「擬宝珠(ぎぼうしゅ・ぎぼし)」です。OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

漢字的には「宝珠に似せた物」ですが、実は「葱帽子」、「葱坊主」が語源です。

ネギ類の野菜は硫化アリルを含むのでツンとする特有の匂いがしますが、この臭気が邪気を払って魔除けになると信じられています。そこで、神社の入口にある橋に「ネギ坊主」を載せて、悪しきものの侵入を防いでいます。

なお、神職一般のことを禰宜(ねぎ)と総称するそうです。これとネギの関連については知りませんが、「もし関係していたら面白いなぁ」などと考えながらネギを育てています。

ネギ坊主の膜はすぐに割れて、毛糸で作るポンポンのような白い花を咲かせ、そこに黒い小さな種をたくさん作ります。

だから、ネギ坊主は人間でいえば少女から女性に変わろうとしている女の子に相当するわけです。

最後にお粗末な一句を。

 

  みんなから  ネギのボウズと  呼ばれるけれど

                        ホントは私  女の子なの

 

 

 

 

 

 

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(2016年4月3日 静岡新聞)

毎月第1日曜日、静岡新聞朝刊にて「野菜が好きになる話」コーナーを担当しています。

野菜が好きになる話( 静岡新聞 3月6日)

おはぎ3

暑さも寒さも彼岸まで、いよいよ春ですね。

春の彼岸は農作業が始まる時期で神様をお迎えするために「ぼたもち」を、秋の彼岸は収穫を感謝して「おはぎ」を作ります。

「ぼたもち」と「おはぎ」は基本的には同じものですが、それぞれ牡丹の花に似せたり、萩の花に似せたりします。春に咲く牡丹は「立てば芍薬、座れば牡丹」で「花の王」と呼ばれるくらいですから豪華絢爛に、お米を大きく丸め、こしあんをたっぷりつけてボタンの花に似せます。

それに対して、 秋に咲く萩の花はマメ科の蝶形花と呼ばれる小さな花が粒々にたくさんつくので、「おはぎ」は形を小ぶりに長めにして粒あんで丸めます。

おはぎ1

ここまでが一般に言われていることですが、これはお米と小豆の品質に関係しています。秋に収穫したばかりのお米をお餅になるまでつくのは勿体ないので、おはぎはお米の形を残すように軽くつきます。 小豆も収穫時期は秋で、とれたての小豆は柔らかく皮も一緒に食べられるので、秋は粒あんにしていただきます。
ところが、お米も小豆も、ひと冬越すと硬くなります。そこで「ぼたもち」は、お米をお餅になるくらいしっかりついて大きく丸め、小豆は硬くなった皮を除いてこしあんにして、たっぷりつけてボタンの花に似せます。

もっとも、これらは保存技術が良くなかった昔の話、今は1年中「おはぎ」を販売しているお店が多いようです。

ちなみに、我が家では「ぼたもち」のことを、「おはぎ」に対して「おぼた」と呼びます。 食への感謝の気持ちが込められた良き風習だと思うのですが、妻にはおかしいとからかわれます。皆さんの家では「おぼた」と呼びませんか?

 

 

野菜が好きになる話( 静岡新聞2月7日)

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スーパーでは、時々写真のように大根が切られて売られています。

大根の上の部分と下の部分では味も硬さも違います。

①サラダにする時、②大根のおでんを作るとき、③生ガキを食べる時、④サンマと一緒に食べる時、あなたはどちらを使っていますか。

胚軸1

①大根の上の部分は根ではなくて、胚軸という茎の一部です。茎なので葉緑素を持ち光合成をして緑色になっています。根の部分と比べて、水分が多く甘みがあるので、サラダにする時には上の部分を使います。

②下の部分は根が肥大したものです。土の中でも伸びるように細胞壁が厚く形が壊れにくくできているので、おでんにする時には下の部分を使います。上の部分は細胞壁が薄いので、煮込むと潰れてしまいます。

③植物には生命維持に重要な根が虫にかじられない工夫があり、大根の場合はイソチオシアネートという、細胞壁が壊されると酸素と結合して辛みを発生する成分を持っています。人間と虫とでは味覚が違うので、虫が辛いと感じているかは不明ですが、この成分に驚いて虫はかじるのをやめます。夏の大根が辛いのも、夏は土の中にたくさん虫がいるからです。植物にとっては根の先端部の方が、より重要ですので下に行くほどイソチオシアネートの量は増えます。辛み成分には殺菌や解毒作用もあるので、生ガキを食べる時には食中毒予防のため、大根の下の部分をすりおろします。

④サンマに大根おろしを添えるのは、脂っこい魚を食べると、油分が胃の粘膜を一時的に覆い、一緒に食べるご飯(炭水化物)の消化がされにくくなるのを、大根に含まれている消化酵素(ジアスターゼ)によって助けるためです。前述の辛み成分が食欲を刺激するので下の部分が使うのがいいとは思うのですが、辛いのが苦手な人は、まずはジアスターゼの摂取を優先して上の部分を使うのでもいいと思います。

寒い季節大根をいっぱい食べて、元気になりましょう。

野菜が好きになる話( 静岡新聞 2015年12月 )

ダイコンとカブ

寒くなってきて大根とカブの季節となりました。
ところで、大根とカブの違いを知っていますか?

大根は細長く、カブは丸くて小さいのが一般的ですが、聖護院大根や桜島大根のように丸い大根や、大きなカブがあったりして、一体違いは何なのかと不思議でした。葉の形もそっくりな種類があります。
写真の左が大根、右がカブです。似ていますよね。

大根とカブの違いは、どこが太っているかです。
大根は文字通り根が太っています。
それに対してカブは胚軸が肥大したものです。

胚軸と根

胚軸と根

胚軸というのは、発芽した時に最初に出てくる子葉(ふたば)と根の間の茎の部分です。
根が太った大根は胴体部分にヒゲ根がありますが、胚軸が太ったカブは表面が滑らかで根は下についています。

胚軸は茎ですので、根と比べて細胞を保護している細胞壁が薄いです。そのためにカブは柔らかく、切った時や漬け物にした時に、ふにゃっとしています。また、細胞壁が崩れるとゼリーを作る時の成分であるペクチンが溶け出すので、切ると少しぬるっとしています。

ブを大根と同じように煮ていると溶けてくるのも細胞壁が薄いからです。
カブは柔らかくなりすぎるとおいしくありませんので、火を入れすぎないのが料理をする時のポイントです。

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(2017年12月6日 静岡新聞)

毎月第1日曜日、静岡新聞朝刊にて「野菜が好きになる話」コーナーを担当しています。

 

野菜が好きになる話( 静岡新聞 2015年11月 )

花が落ち始めたところ

11月は落花生の収穫時期です。国内産落花生の約7割は千葉県で作られています。千葉県出身のスタッフが実家から送ってもらった落花生のおいしさにビックリ、農産物はどれも本場産地の味は別格です。

落花生を英語でピーナッツというのですが、日本ではサヤ付きを落花生、茶色の薄皮だとナンキン豆、皮をむいて加工するとピーナッツと区別されて呼ばれます。6月に種をまきますが、この時の種はナンキン豆です。

ところで、落花生はどこにできるのか知っていますか。ピーナッツのナッツとは「木の実」の意味で、雰囲気的にも枝からぶら下がっている感じがしますが、土の中にできます。花が咲いた後、花柄が地面に向かって伸びて、やがて土に突き刺さり、土の中でサヤができて中に豆を作ります。

土の中にできた落花生

土の中にできた落花生

「花が落ちて生まれる」ので、落花生というのですね。

ですから、落花生はサラサラとした土を好み、地表の上の方にできます。豆がカプセルのようにサヤで覆われているのは、大雨や洪水の時にサヤが水に浮かんで流され種を遠くまで届けるためです。落花生の原産地はトマトやジャガイモと同じ南アメリカのアンデス山脈ですが、雨が降った後には山の斜面を中に種を乗せた落花生がボブスレーのように走って流れていくのかなぁ、そんなことを思い浮かべながら収穫をしています。

 

 

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(2017年11月1日 静岡新聞)

毎月第1日曜日、静岡新聞朝刊にて「野菜が好きになる話」コーナーを担当しています。

野菜が好きになる話( 静岡新聞 2015年10月 )

ポパイとホウレンソウ

かつて、家庭科の授業で「ホウレンソウは尿管結石の原因となるシュウ酸を取りのぞくために下ゆでをしてくださいね。尿管結石って痛いんですよ。」と教わりましたが、みなさん、どうしていますか?

シュウ酸はエグミの元で、ホウレンソウには大量に含まれています。シュウ酸が多い野菜は栄養はたっぷりなのですが、苦くておいしくありません。

そんなホウレンソウを食べさせるために生まれたのがポパイです。母親たちは言いました。「いい、坊や。よくお聞きなさい。ホウレンソウはまずいわよね。確かにそうよ。でもね、とっても栄養があるの。だから、あなたもホウレンソウを食べればポパイのようになれるのよ。オリーブをブルータスから助けるポパイのように、大好きな女の子を守ってあげるためにはホウレンソウを食べなさい。そんな、かっこいい男の子になってほしいの。」

その「おいしくないけど栄養たっぷりのホウレンソウ」も品種改良が進み苦くなくなってしまいました。シュウ酸の含有量が減ったので、尿管結石をあまり気にしなくてもよくなり、下ゆでのことを書いていない料理本が多くなりました。今ではそのまま生で食べることができる「サラダホウレンソウ」まで出回っています。

そんな話を、若いスタッフにしていたら、「年配の人が、給食でホウレンソウやニンジンが食べられなかったという話をするけど、どういうことかよくわからないです。今だったら『苦いけど栄養たっぷりホウレンソウ』って売れるんじゃないですか。」と言っていました。

そんな感じで最近の野菜はとっても食べやすくなりました。しかし、相変わらず野菜嫌いの子供は多いようです。もしかしたら、野菜嫌いの原因は、野菜の味ではなくて、野菜に物語性がないからかもしれません。

そういえば、テレビでポパイを見ることもなくなりました。

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(2017年10月4日 静岡新聞)

毎月第1日曜日、静岡新聞朝刊にて「野菜が好きになる話」コーナーを担当しています。

 

ふるさと納税

エクラの中で「ふるさと納税を楽しむ」特集に取り上げられました。 

eclat(エクラ)は40代~50代の女性へ向けたファッション&ライフスタイル情報誌です。

この中で、ふるさと納税が取り上げられていて、「エクラ編集部厳選! 話題の特産品」としてしあわせ野菜畑の野菜セットが取り上げられています。

そういえば9月頃に注文があったようななかったような・・・

とにかく、数ある 「ふるさと納税の特産品 」の中から話題の特産品として取り上げられた8品目のひとつってなんかすごくない・・・なんて思っています。

 

エクラ厳選、話題の特産品

エクラ厳選、話題の特産品

 

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