野菜が好きになる話 (静岡新聞 2015年9月)

投稿日:2015.09.06投稿者:siawaseyasai

丸いふくらみ、種がいっぱい

 

暑い時はキュウリがおいしいですね。

キュウリの寿命は意外と短くて、露地栽培の場合だと収穫できる期間は2ヶ月間位で、収穫時期をずらしながら何回も栽培しています。そして、栽培の後半に出てくるのが写真のような、尻太りキュウリです。

 

尻太りキュウリ

尻太りキュウリ

切ってみるとこんな感じ。

種が一杯詰まっています。

種が一杯詰まっています。

 

先の丸くて太い部分は種が詰まっています。

ここまで丸くなっていなくても、こんな感じのキュウリに出くわすことありませんか。水っぽくて甘みを感じますが、種が多いので、キュウリ本来の食感とは異なります。

病気ではありませんが、見た目も悪いので、規格外野菜とされてしまいます。

 

でも、それは食べる人間側の話。キュウリは本来人間に食べてもらいたいわけではありません。野生の動物たちに食べてもらって、フンと一緒に種をどこか遠くに落としてもらいたいわけです。人間は栽培の最後に出てくる尻太りキュウリを「生理障害」などと失礼な呼び方をしていますが、キュウリにとっては人生の集大成、最後の残されたエネルギーで、丸くて、たっぷり水分を含んだふくらみを作って、その中に種を隠しているわけです。いかにも食べてくださいと言っているような丸いふくらみは野生の動物たちにとってはとても魅力的に見えているのだと思います。

 

キュウリの原産地はインド北部からネパールのヒマラヤ山麓です。猿とかイノシシとかキジとかシカたちがキュウリの周りに集まって、丸い尻太りキュウリを嬉しそうに食べている姿が浮かんできたら楽しくなりませんか?

 

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(2017年9月4日 静岡新聞)

毎月第1日曜日、静岡新聞朝刊にて「野菜が好きになる話」コーナーを担当しています。

 

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